「潮騒」の舞台 神島に行ってきました個人山行

UPDATE 2023-07-09


【日 程】 2023/07/08(土)
【参加者】 会員7名
【コース】 鳥羽マリンタワー~船~神島漁港~八代神社~神島灯台~灯明山~監的哨跡~カルスト地形~ニワの浜~神島漁港~船~鳥羽マリンタワー
【記 者】 ひろさん


 離れ島シリーズ第2弾。

 今回は、三島由紀夫さんの小説「潮騒」の舞台となった伊勢湾の離れ島・神島に行ってきました。

 梅雨前線停滞で各地雨予報の中、なんと晴れマークが出ていて、晴れ男伝説復活?と自画自賛。

 

 「その火を飛び越してこい」

 このフレーズを聞いて、NHKの朝の連ドラ「あまちゃん」を思い出した方もいるのでは??

 小説「潮騒」で新治と初江が嵐の中でたき火をはさんで交わし合うクライマックスシーンの有名な台詞で、「あまちゃん」にパロディで挿入され、劇中に登場するアイドルユニットの「潮騒のメモリー」に「来てよ その火を飛び越えて♫」と歌われるなど、島全体がこの小説の舞台となっています。

 鳥羽マリンタワー7時40分発の船に乗船。

 「遠くに見えるあの島が神島だよね?」と話しながら、2階のデッキでかなりの高速で走る40分間の船の旅を楽しみます。やはり、船で渡る旅には独特の特別感が。だんだん近づいてくる島にワクワク感が募りながら、神島に上陸。

 マリンタワーで入手したウォーキングマップを見ながら時計回りに島を一周することに。登山では磁北線入りのちゃんとした地形図を持ちましょうですが、こういう場所ではイラストマップが役立ちます。

 初江が、新治の危険な航海の無事と晴れて結ばれるように祈った八代神社、今は無人で中に入ることは出来ませんが、小説の時にはまだ灯台守がいて新治と初江が結ばれる重要な場所となり、ラストシーンに描かれた神島灯台、そして冒頭に書いた「その火を飛び越してこい」の舞台となった監的哨跡など、場所場所に小説と映画の説明を書いた案内板を設置してくれていました。私の世代的には百恵ちゃんで、潮騒の映画のこのシーンはドキドキしながら観た思いでがありますが、今回行く前に観た吉永小百合さんの美しさには改めて魅入ってしまいました……。

 ということで、この島めぐりをする際には、小説を読んで映画を観ると楽しさ倍増でおススメです。

 

 ちなみに、山岳会の山行なので、灯明山(171メートル)の山頂だけは踏んでおこうと。ただ、山頂への道標はなく、山頂へ入る道を見過ごして、かなりの距離を登り直すことに。皆様、暑くてバテ気味の中を申し訳ありませんでした。なお、山頂には三角点はありましたが、展望はまったくなし。ただただ山頂を踏んだという感じです。

 下山中、カルスト地形やニワの浜の岩など、インスタ映えする場所がありましたが、わが会の師匠SY氏がさささと岩に登り出して……。今回のメンバーには他に追随する者はなし。軽やかな足取りに岩を登る際のルート取り、足場の見つけ方・体重のかけ方など学ばせていただきました。

 そんなこんなで、ゆっくり歩いても島一周するのに3時間とはかかりません。

 12時に山海荘でランチ予約してありましたが、時間まで1時間もある。皆さん、朝早かったし暑かったし、思った以上のアップダウンでお疲れ気味。電話してみると、「入って休憩してもらっていいですよ」との温かい言葉をいただく。ランチを早めていただいた。豪華なお弁当にカワハギの煮付け、タイの塩焼き、あまり市場には出回らないコチのモチモチした白身など新鮮なお刺身。食べきれないほどの豪華ランチをゆっくりいただいた。

 問題は、帰りの船が15時50分までなく、あと3時間以上ある。さあ、どうする??

 山海荘の方の厚意で、時間まで休憩してくれたらいいとのこと。

 この会始まって以来初?とも思われる、午睡タイムを味わえた。

 さすがに、3時間ここで午睡は、はばかられたので、海岸を散歩後、山海荘の姉妹店の時計台横のお店でカフェタイム。

 氷は頭がキーンとなるので食べられないと可愛らしいことを力説するSY氏以外は、かき氷をいただく。久しぶりに食べて帰りの船の時間まで涼ませていただきました。

 帰りの船は、外海の場所では波が高く、ジェットコースター気分も楽しめて、ゆったり一日島時間を味合わせていただき、帰路につきました。

 時間つぶしどうしよう?と考えたのはほんと、久しぶりのことでした。今度行く時には絶対、釣り竿持っていこっと。

 たまにはこんな旅もいいですよね? と、毎回書いているような気がしてきて「たま」ではなくなってきましたが、離れ島・海鮮満喫の旅第3弾、第4弾と続く?  こんな企画にも笑顔でお付き合いいただける最高のメンバーに加えていただき幸せです。またお付き合いください。

 

この島全体が小説「潮騒」の舞台となっています。
神島灯台。小説のラスト、初江が「これ覚えとる?」と自分が新治に渡した写真が彼を守ったと考えたのに対し、新治が「あの冒険を切り抜けたのが自分の力である」ことを知っていたと結ばれているのがなかなか面白い。
「その火を飛び越してこい」の舞台となった監的哨跡。
カルスト地形で
SY師匠が一人岩づたいに渡った先から撮っていただいた一枚
 登れる岩や!と思った瞬間に颯爽と登り始めるSY氏。さすがです。
山海荘での豪華ランチ。食べきれないほど量量
K氏作。私は気づきませんでした。同じ場所に行っても見つける対象が違って楽しい