晩秋の車山と初冬の天狗岳

UPDATE 2021-11-15


【日 程】 2021/11/13(土)~2021/11/14(日)
【参加者】 10名
【コース】 1日目:車山高原(→夏沢鉱泉泊)
2日目:夏沢鉱泉ーオーレン小屋ー箕冠山ー根石岳ー天狗岳ー西尾根ー唐沢鉱泉

【記 者】 Taru


贅沢にも信州の秋と冬を楽しむ、晴天の2日間。

1日目、車山へ向かう車窓からは秋〜冬へ向かう信濃の山々のグラデーションをたっぷり楽しむ。車山からは北アルプス〜乗鞍〜御嶽〜中央アルプス〜南アルプス、そして富士山を拝み、これから向かう八ヶ岳、浅間山の噴煙までも望める360度の大パノラマ。

宿泊先の夏沢鉱泉へは桜平Pから林道を30分ほど歩く。小屋からは穂高連峰が見え、食事は美味しく、温泉にもつかり、配られた湯たんぽで布団は温く、贅沢な小屋である。食後のミーティングではレイヤリングについて意見交換もあり、アウターレイヤーによる違いや特性について教えていただく。

2日目、7時に夏沢鉱泉を出発、八ヶ岳らしい苔とシラビソの中を歩く。シラビソの葉についたツララがクリスマスツリーの飾りのようにキラキラと輝いている。樹林帯を歩くうちに青空が見え始め、期待に胸が躍る。少しずつ雪も増え、途中でチェーンスパイクを装着する。

箕冠山の分岐ではすっかり晴れ、少し道を外れたところからはこれから向かう双耳峰の天狗岳が青空の元に大きく姿を現し、西天狗の奥には白馬三山が望めた。根石岳山荘前の稜線では強風に煽られ、ここから東天狗へは時折吹き付ける風に辛抱の稜線歩きとなる。

天狗岳のコルでは無風、長めの休憩時に、山座と冬山の心構えなどのレクチャー。西天狗では観天望気、山々にできた巨大笠雲を眺める。さてここからが下山となるが、西天狗からの下りは岩交じりの急な道となり慎重な足取りとなる。その後は植生がハイマツ、シラビソ、ダケカンバと変わっても、飽きるほどの長い長い下りが続く。

唐沢鉱泉のテラスでコーヒーをいただきホッと一息、帰路についた。Y氏の粋な計らいで、小黒川PAから南アルプスのアーベンロートも眺めることができた。

メンバーのほとんどが冬山初心者である。冬山に対する心構え、基本的な注意や行動に対する指導に加え、随所に山の素晴らしさが盛り込まれた初冬の山行であった。

 

 

信州木曽 御嶽山

UPDATE 2021-09-30


【日 程】 2021/09/19(日)~2021/09/20(月)
【参加者】 6名
【コース】 御岳ロープウェイ駅-剣ヶ峰-二ノ池山荘(泊)-摩利支天山-継子岳-三ノ池-ロープウェイ駅
【記 者】 dekopon


御岳ロープウェイを利用すれば、剣ヶ峰までの日帰り登山も可能。

しかし、御嶽山の魅力は壮大な頂上台地を歩くこと。二の池山荘に宿泊し、2日目は摩利支天山、五の池を経て継子岳までの「山頂周遊を満喫コース」を計画した。

 御岳ロープウェイPまでは京都から約5時間。ロープウェイ鹿ノ瀬駅から飯森高原駅までは15分間の空の旅、楽々で、2150mの黒沢口コース登山口に立つ。

1日目の目標は最高地点の剣ヶ峰(3067m)、御嶽山山頂部の最南端にあり、登山口から登ること約3時間。二の池山荘にザックを置き、ゆっくりと剣ヶ峰に登拝。

 御嶽山は古い歴史を持つ山岳信仰の山で、信者の御嶽講登山が受け継がれていることが、登山道に存在するモニュメントや山小屋からも伺える。剣ヶ峰まで私たちと同じルートで登ってきた白装束の女性もその修験者のようだった。

 2014年に死者行方不明者63人の犠牲者を出した戦後最大の噴火災害から7年、剣ヶ峰には3基の避難シェルターが建ち、立派なトイレも建設中であった。整備された山頂で犠牲者の冥福を祈り、安全登山を祈願して二の池山荘に下りる。

 2日目、山荘で朝食をすませ、ゆっくりしたスタート。

まず、摩利支天山(2959m)に登頂。適度な岩場歩きが楽しい。ガスがかかり、眺望は無かったが運良くブロッケン現象を観る。8月の硫黄岳に続き、今年2回目のブロッケン!最高でした!

 摩利支天山からお楽しみスィーツを味わう五の池小屋までは下り。到着後、最北端の継子岳(2859m)をピストンし、頑張ったご褒美にケーキセットをいただく。せっかくのテラス席も周りはガスで真っ白。でも、なぜかリッチな気分。

 復路は唯一水をたたえた御嶽山最大の池、三ノ池を見下ろす外輪尾根を進む。この頃にはガスもすっかり晴れ、三ノ池のコバルトブルーが神秘的で美しい。下山に使いたかった三ノ池道は、御嶽山の中で最も美しい紅葉が見られるというのに、崩落の為に通行止め。

再び二の池山荘に戻り、ロープウェイ飯森高原駅まで一気に下山した。

 規制が緩和された登山道や山小屋には登山客が戻り、少しずつ活気を取り戻している御嶽山。しかし、コロナ渦の営業で宿泊人数制限がされているため、登山者も少なく、とても静かな山歩きが楽しめた。

絶好の登山日和に恵まれ、計画通りの絶景の御嶽山を満喫した6人でした。   

北アルプス 乗鞍岳~焼岳

UPDATE 2021-08-31


【日 程】 2021/08/28(土)~2021/08/29(日)
【参加者】 5名
【記 者】 takumi


1日目
ほおのき平駐車場からシャトルバスで一気に標高を上げ、2702mの畳平へ。雲一つない青空。期待に胸を膨らませながら歩き出す。酸素が薄いせいか少し呼吸が苦しいが、かわいい高山植物や素敵な景色に助けられ、最高峰の剣ヶ峰を目指す。標高が上がるにつれ風が強くなり、視界も一転、真っ白に。山頂では楽しみにしていた絶景は見られず残念だったが、雨には降られず助かった。強風時にはアウターが風に煽られてうまく着れなかったり帽子を飛ばされそうになったが、対処方法も教えて頂き良い経験ができた。期待していたコマクサは終わりかけで残念だったが、宿泊した民宿では月下美人がタイミング良く開花し、明日の山行を応援してくれているようだった。

2日目
タクシーで中の湯温泉登山口へ。5:10登山開始。1時間ほど登ると視界が開け、ゴツゴツの岩肌と噴煙が確認できる。振り返ると雄大な山々と雲海に疲れも吹き飛ぶ。さらに登ると硫黄の臭いがキツくなり、ゴーゴーと湧き出す噴煙の音にを肌で体感する。落石をしないよう慎重に足を運び山頂へ辿り着くと、昨日見られなかった絶景のご褒美。アルプスの素晴らしい景色に感動した。

焼岳小屋まで登り下りを繰り返し、正面には北アルプスの美しい稜線、振り返ると荒々しい姿の焼岳が楽しめ飽きない。焼岳小屋から長い下りを黙々と進み、上高地に降りると二度目のご褒美。絵葉書のような素敵な景色に写真を撮る手が止まらない。初アルプスは自然の怖さと素晴らしさのどちらも体感でき、最高の二日間になった。