ピレネー山脈の山旅その他山行

UPDATE 2025-07-25


【日 程】 2025/07/08(火)~2025/07/15(火)
【参加者】 4名 会員2名 他2名
【コース】 アンドラ ラ ベリア…エルスコータルス ド エンキャンプ…ド フォントベルデ避難小屋…ピックデルスペソンス山2864m…デ イイラ小屋…GR7・GR11トレイルート……アンドラ ラ ベリア…バルノード-アリンサル…GR11ルート…コマペ ド ローサ小屋…コマペドローサ山2942…コマペ ド ローサ小屋…アンドラ ラ ベリア(全行程5日)
【記 者】 kamemaro


2019年のコロナ前に地中海からフランス、スペイン国境をアンドラ公国の手前まで歩いた。もう少し歩きたい(できれば大西洋まで)と機会をうかがっている間にヨーロッパの経済発展に伴い、日本の円とユーロに2倍近くの差がついてしまった。それでも何とか…と思い、Kさん夫妻を誘い灼熱の日本を脱出した。

アンドラ到着次第、地図を購入し登るコースを検討する。アンドラを囲む山は、アンドラ ラ ベリアを中心として東西、それにフランスと接する北側に分けられるが、前回の続きとして東西の山に登ることにする。

コースを調べ(地図で)東側の中心部を目指す。タクシーで登山口まで入り、黒松の広がる林の中を歩き出す。道はよく踏まれており迷うことはない。途中、元気な地元の人やトレランの人に追い抜かれるが、お互いに交わす暖かい言葉に励まされる。

今日の宿泊予定所まで、あと少しというところで枝道に入ってしまい、道草を喰らう。お陰でキレイな池に出会い、水面に映る荒々しい山々に感激する。オマケにマスまで泳いでいる。なんで?こんな閉鎖された池に…どうも人が放したようだ…と言うのもアンドラの名物料理は、マス料理と言われており、この後もいろんな池でマスを目撃した。

昼過ぎに避難小屋へ到着し、長い1日(21時40分、日没)をノンビリと過ごす。夕方、上昇気流に乗り2~30羽の鷹が真上を舞い、とても日本アルプス等では見ることができない光景を見ることができた。自然が大切に守られている証拠か…。

明くる日、トレイルコースから離れ、大きな岩などが散乱する斜面を登り、ピックデルスペソンス山2864mを目指す。陽が昇ると共に点在する池に付近の山々が映り、斜面一面に高山植物が広がるスケールの大きさは、素晴らしかった。

山を下り、ヘリコプターで運ばれた釣り人のいる池の側にある山小屋に入るが、ここで一悶着。「支払いは現金で。」「えッ?クレジットではダメ?」「ダメ!」「そんな現金(€)持ってないで!なんでやねん?」etc。交渉の結果、「下山してから町で支払ってもらったらOK!」…最終的に、日本円でOKというところまで話ができた。語学力がないため苦労するが、これも海外登山の面白さ……大きな声で、ハッキリ言うことが大切か?

夜中トイレに起きたら満月に氷河跡のカールが連続し、世界文化遺産に指定されているマドリウ ペラフィタ クラロ渓谷の連山がガスの上に浮いている。思わずカメラを取り、外に出てパシャパシャ。ス・バ・ラ・シ・イ!

さわやかな朝を迎え、パン・チーズ・ミルク・コーヒーの定番朝食を終え世界遺産の中をひたすら下る。途中、ドイツから来たおばさんや、休憩した牧場でいろいろ話している中で、ニセコが出てきたことにはビックリした。こちらの物価からすれば、6500円の海鮮丼も高くはないみたい。

宿泊所「ホテルピレネー」で1日休養した後、町の西側にあり、アンドラの最高峰でもあるコマペドローサ山に向かう。小屋のスタッフから「予約が入ってない。」と言われ「エ!」 スマホには、キッチリと予約情報が残っている。不審に思ったスタッフが、よ~く調べると登山口にも同じ名前のホテルがあるとのこと。予約情報からそのホテルが予約されていることがわかりガックリ!「部屋がよくて、なんか変やなぁ~?」と感じていた。でも、今夜はこの小屋に泊まれるとのことだが、ホテルの方はノーショーで返金はないとのこと。「こんなこともあるさ!」

早朝、腹一杯の朝食を頂き、小屋で待つという女性2人を残し、男2人でコマペドローサを目指す。普通の登山道が2650m付近まで続くが、そこから急登の斜面となり右側は、約800m真下あたりに山小屋が見えている。「落ちたら、あそこまで絶対に止まらんな!」と言いながらリッジを登る。アンドラとスペインの国旗、それに方位盤もある山頂に着く。まもなく途中で追い抜いた地元の登山者が登ってきた。お互いに写真を撮り合い、周囲の山(特に西側:また登りたい)をよく眺めてから稜線伝いに下山する。雪渓と二つの池の側を通り、元の道に合流し早足で下山を急ぐ。途中、日本から来たというトレッカーに出会う。山で出会った初めての日本人、GR11ルートを最初から最後まで歩いているのだと。話が弾むが、ヨーロッパにはこんなロングトレイルがたくさんある。小屋に戻ると、残った2人もこの青年と話していたと…。小屋の前で残り物の昼食を摂り、昨日登ってきた道を下山する。

【参考】円と€のレート:1€≒174円 昼食≒15から18€ 夕食≒25から30€ ジュース、コーラ≒3€ 水≒2€ クロワッサン1個≒3.5€

    ホテルは、朝食付きで日本より少し高め(休日前と平日では、倍くらいの差がある) 

    ゲストハウスは、バス、トイレ共用で2人部屋・ドミトリーなどあり、タコ部屋みたいな所からホテル並みまであるが、安い!!

アンドラの最高峰 コマペト ド ローザ 2942m
キレイな森と険しい山
宿泊した避難小屋 同宿は地元の方2名
避難小屋の夕焼け PM9:40
池に映る岩峰 AM7時00分頃
アルペンローズ(ツツジ科)ヨーロッパの高山にある
マドリウ ペラフィタ クラロ渓谷の連山 氷河が作ったU字谷が連なっている
コマペトド ローザ付近から見る昨夜の宿(真ん中の陰の所)800mの標高差がある